SPPテクノロジーズ

バッチ式縦型熱処理装置

拡散・酸化・CVDに対応する熱処理装置 (バッチ式)。量産実績に裏打ちされた、スケーラブルで高精度な熱処理ソリューション。

熱処理プロセスの概要

縦型熱処理装置 (バッチ式) は、半導体製造における主要な熱処理装置です。拡散、酸化、アニール、化学気相成長 (LPCVD、APCVD) といった重要な工程に対応します。
正確な温度制御とバッチ処理によって、高い膜均一性、スループット、安定したプロセス条件を実現します。
SPTの縦型バッチシステムは、MEMS、パワー半導体、その他高性能デバイスの製造に適しており、プラズマベースのエッチング・成膜技術を補完する重要なプロセスソリューションです。

半導体製造における熱処理とは?

熱処理とは、半導体製造中に材料の性質を制御するために加熱を用いる技術の総称です。
拡散、酸化、アニール、CVDなどの工程では、温度・ガス環境・時間を精密に管理することで、膜形成・不純物活性化・欠陥修復などが行われます。
熱処理は、高性能で信頼性の高いデバイスを製造する上で欠かせない工程です。

熱処理の主な種類とは?アニール、拡散、酸化、LPCVD、APCVD

熱処理の方法は、温度、雰囲気ガス、プロセス目的に応じて異なります。
以下の表では、半導体製造において広く使用される5つの熱処理技術を比較し、それぞれの特長を紹介します。

項目 アニール (Anneal) 拡散 (Diffusion) 酸化 (Oxidation) LPCVD APCVD
用途 ドーパント活性化、応力除去、欠陥修復 ドーパントをシリコンに導入 SiO₂膜をシリコン表面に生成 低圧下で薄膜を成膜 常圧下で膜を成膜
代表的な温度範囲 400〜1100℃ 800〜1100℃ 800〜1100℃ 500〜800℃ 400〜500℃
プロセス雰囲気 不活性ガス (例:N₂、Ar) 酸素またはドーパントガス (例:POCl₃、BBr₃) 酸素または水蒸気 (乾式/湿式酸化) シラン、ジクロロシラン、NH₃ など シラン、オゾン、TEOS など
アプリケーション ロジックデバイス、パワー半導体 CMOS、イメージセンサー、ディスクリートデバイス 絶縁膜、ゲート酸化膜の形成 MEMSやIC向けのSiN、SiO₂、ポリシリコン パッシベーション膜、誘電膜の成膜

各熱処理技術が担っている役割とは?

熱処理は非常に多様なプロセスを含んでおり、それぞれが半導体製造の中で固有の目的と効果を持っています。
以下の各タブでは、アニール、拡散、酸化、LPCVD、APCVDの概要と用途をご紹介します。

アニールは、ドーパントの活性化、内部応力の除去、結晶欠陥の修復を目的とした加熱処理です。
通常は不活性ガス雰囲気下で400~1100℃に加熱します。
イオン注入やエッチング後の処理として、ロジックデバイス、パワー半導体、MEMSなどで広く用いられます。

拡散は、シリコン中にドーパント原子を導入し、電気的特性を制御する工程です。
ウェーハはPOCl₃やBBr₃などのドーパントガスに高温 (800〜1100℃) で曝されます。
CMOS、イメージセンサー、ディスクリートパワーデバイスなどに幅広く利用されます。

酸化は、ウェーハ表面に酸素または水蒸気を高温で曝すことで、酸化シリコン (SiO₂) 膜を形成する工程です。
乾式/湿式酸化の選択により、膜質や膜厚制御が可能です。
ゲート絶縁膜、パッシベーション、絶縁構造の形成に不可欠です。

LPCVDは、減圧下かつ中温 (500〜800℃) で薄膜を成膜するプロセスです。
SiN、SiO₂、ポリシリコン層などを、優れた膜均一性とステップカバレッジで形成できます。
MEMS、ロジック、先端パッケージング用途において重要な技術です。

APCVDは、常圧下でシランやオゾンなどの反応性ガスを用いて膜を形成する方式です。
高スループットかつシンプルな装置構成により、パッシベーション膜や絶縁膜などの用途で使用されます。
複雑な形状への被覆性は限定されますが、コスト効率に優れた選択肢です。

SPTの縦型熱処理装置が選ばれる理由とは?

SPTの縦型熱処理装置 (バッチ式) は、拡散、酸化、アニール、CVDなど幅広い用途で、優れた膜均一性とプロセス安定性を発揮します。
MEMS、イメージセンサー、パワーデバイスなどに対応し、研究開発から量産まで、一貫した性能を発揮する信頼性の高い熱処理ソリューションです。